momo-kaun2007-06-06


 主人が自宅から持ち込んだ蔵書のなかに、『カッパドキヤの夏』(柳宗玄著、中興文庫)というのがありました。このなかに、断崖の岩をめぐる話があって(村の女が喧嘩して石で打ち殺したとかそういう話がいろいろ)、ふと、石打ちってそういえばネパールにもあるなあ、と思いました。
 ダニエル・ライトの『History of Nepal』(Daniel Wright, HISTORY OF NEPAL, 1877)のなかに、ネパールで行われていた石打の話が少し出てきます。ひとつは、インド文化圏で行われていた「サティ」といわれる未亡人の後追い自殺制度。なんで後追い自殺が制度なのかというと、未亡人は夫の葬儀の際に、同じ荼毘の火に飛び込んで死ななければいけなくて、拒むと周囲の人間に殺されることになっていたからです。この、周囲の人による死刑が、石打ちで行われていたようです。ただ、当時の宰相ジャンガ・バハドゥール・ラナによってこの制度はかなり規制がかかったらしく、ライトはこの制度について「最近はそれほどでもない」と書いています。
 それからもうひとつ、シティ・ジャトラと呼ばれるお祭りの話があって、そこにも石打ちと呼べそうな記述があります。これは、お祭りの神事として群衆がビシュヌマティ川の両岸に二手に分かれ、双方から石を投げ合い、石に当たって倒れた者は相手側に引きずり出されて岸辺にあるカンケシュワリ女神の寺院にいけにえとして供された、というものです。
 これもライトの時代には「今はこの競技は子供だけに限られて」いたようですが、、、ちょっとすごい話だと思いませんか??わたしが知らないだけで、日本なんかでも昔はやってたんですかねえ、、、、。